コンテンツにスキップ

レースソウ

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
レースソウ科から転送)
レースソウ属
分類
: 植物界 Plantae
階級なし : 被子植物 angiosperms
階級なし : 単子葉類 monocots
: オモダカ目 Alismatales
: レースソウ科 Aponogetonaceae
: レースソウ属 Aponogeton
学名
Aponogeton
L.f. (1782)

本文参照

レースソウ (Aponogeton) は単子葉植物の1つ。アフリカアジアの熱帯に産する沈水性または浮葉性の多年生の水草で、およそ60種がある。の形やを観賞するためアクアリウムで栽培されるアクアリウム・プラントの一群として知られる。また、レースソウはその中の1種A. madagascariensis を指す場合もある。

レースソウ科 (Aponogetonaceae) はレースソウ属のみからなる単型の科で、クロンキスト体系新エングラー体系ではイバラモ目に、APG植物分類体系ではオモダカ目に属す。

人との関わり

[編集]

観賞用

[編集]

この仲間には、変わった形態のものがあり、観賞用として利用されている。

栽培法

[編集]

アクアリウムにて栽培することが多い。おおまかな栽培法は、他種のロゼット型水草に準ずる。

用具

[編集]
  • 容器 - ガラス水槽などを用いる。
  • 光源 - 観賞魚用蛍光灯などを用いる。
  • 用土 - 観賞魚用の砂、土などを用いる。

注意点

[編集]

アポノゲトンの多くは休眠する性質がある。そのため、休眠中には葉がなくなるが、死んでしまったわけではない。

主な種

[編集]
アポノゲトン・クリスプス
マダガスカル・レースプラント

アポノゲトン・クリスプス

[編集]
Aponogeton crispus
【和名】特になし【原産】スリランカインド南部
水草アクアリウムに用いられるアポノゲトンで、もっともポピュラーな種。柔らかく、透明度の濃淡がある、細長い葉を持つ。単に「アポノゲトン」といえば、本種を指す場合も多い。

アポノゲトン・ウルワケウス

[編集]
Aponogeton ulvaceus
【和名】特になし【原産】マダガスカル
水草アクアリウムによく用いられる水草。ウェーブが入る黄緑色の葉を持ち、昆布のような姿をしている。休眠期を持つ。

マダガスカル・レースプラント

[編集]
Aponogeton madagascariensis
【和名】レースソウ【原産】マダガスカル
水草アクアリウムによく用いられる水草。舟形をした網目状の葉を持ち、葉脈だけで出来ているように見える。隙間が多い葉は、強い流れへの適応だと考えられている。清浄な水を好み、育成はやや難しい。休眠期を持つ。葉の形にはいくつか変異があり、細長いテープ状のタイプの葉を持つものもある。

分類

[編集]

アフリカ・マダガスカル・南アジア・東南アジア・オーストラリアに約60種がある[1][2]

レースの名を冠する他の植物

[編集]

春に明るい青い花を咲かせ、切り花などとして人気があるblue lace flower (Didiscus caeruleus) は、空色レース草などと呼ばれることがあるが、セリ科の植物で、この科とは類縁が遠い。

脚注

[編集]
  1. ^ Chen, Ling-Yun, et al. (2015). “A phylogeny and biogeographic analysis for the Cape-Pondweed family Aponogetonaceae (Alismatales)”. Molecular phylogenetics and evolution 82: 111-117. doi:10.1016/j.ympev.2014.10.007. 
  2. ^ Les, Donald H., Michael L. Moody, and Surrey WL Jacobs. (2005). “Phylogeny and systematics of Aponogeton (Aponogetonaceae): the Australian species”. Systematic botany 30 (3): 503-519. http://www.jstor.org/stable/25064082. 
  3. ^ Jacobs, Surrey WL, et al. (2006). “Two new species of Aponogeton (Aponogetonaceae), and a key to species from Australia”. Telopea 11 (2): 129-134. 

外部リンク

[編集]