遠隔地で起こる森林火災という現代の環境問題を より身近に知覚するためのフレグランス・メディア まだ記憶に新しいマウイ島の森林火災やカナダ西部の森林火災、私達の地球の裏側では環境問題が危機的に進行しているが、その具体的な影響を日常生活で感じることは難しく、ニュース速報や動画共有サービスなどのメディアからでは、問題の深刻さとは裏腹に自分事として受け取るには心理的距離を感じてしまう。 このフレグランス・メディアは、リアルタイムで森林火災のデータを受け取り、その情報を芳香として利用者に伝達する。つまり森林火災が発生した瞬間、内臓ファンが回転し、香りを通じて私達に地球の状況を伝えるのだ。使用する香り(精油)には今まさに失われている森林火災発生箇所原産のものを使い、失われいく自然環境を直接感じることになる。 情報を視覚や聴覚に知覚させるのではなく、嗅覚に語りかける事で言語的解釈や文化の隔たりを越え、感情や記憶に直接届けることができる伝達手段として、日々の行動や意識変革を促す新しいメディアとなるだろう。