デイヴィッド・S・ミラー
デイヴィッド・スティーヴン・ミラー(David Stephen Miller、1974年11月26日生まれ)は、Linuxカーネル開発に携わる、アメリカ合衆国のソフトウェア開発者である。彼は、ネットワークコード[1]とSPARCアーキテクチャへの移植[2]に関する主要なメンテナの一人であり、その他の開発にも関わっている。彼は、GNUコンパイラコレクション(GNU Compiler Collection; GCC)の運営委員会(steering committee、ステアリング・コミッティー)の委員でもある[3]。
David Stephen Miller | |
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東京大学にて | |
生誕 |
1974年11月26日(49歳) アメリカ、ニュージャージー州・ニューブランズウィック |
別名 | DaveM |
職業 | プログラマ |
雇用者 | レッドハット |
著名な実績 | Linuxカーネル、GCC |
業績・業務
編集2010年の時点で、カーネル開発者の中で、ミラーはコードの変更の数では上から10番以内に位置し[4]、コードのコミット数では2005年までで2987を数える[5]。
彼は、以前、ラッガーズ大学の高度情報処理センター(Center for Advanced Information Processing)[6]、Cobalt Microserver社[7]で勤務していた。1999年からレッドハットに勤めている[8][9]。
SPARCへの移植
編集ミラーは1996年、ミゲル・デ・イカザ(Miguel de Icaza)と共に、Linuxカーネルをサン・マイクロシステムズ・SPARCへ移植した[6]。彼はUltraSPARC T1を含む64ビットUltraSPARCマシンへのLinuxの移植も2006年初頭に完了した[10]。のちに、T2とT2+に対しても移植を完了している。 2010年、ミラーは引き続き、32ビット・64ビット双方のSPARC移植版を管理している[2]。
2008年4月、ミラーは、Googleがゼロから書き上げたGNUリンカの再実装、goldをSPARCへ移植することに貢献した[11][12]。
Linuxのネットワーク
編集ミラーはLinux TCP/IPスタックにおけるメンテナの一人である[1]。彼は、高負荷環境におけるネットワーク・パフォーマンスの改善において、重要な役割を果たしている[13]。また、彼はLinuxカーネルに含まれる多数のNICドライバの作成ならびに改善に対する貢献を行っている[14][15]。
講演
編集彼は、2000年のOttawa Linux Symposiumの基調講演[16]、更に、2006年1月のダニーデンで開催されたlinux.conf.auでの基調講演[17]を行っている。
彼は、2009年7月のNew York Linux Users Group(ニューヨークLinuxユーザー・グループ)での会合で、"Multiqueue Networking Developments in the Linux Kernel"(「Linuxカーネルにおける、マルチ・キュー・ネットワーキング[18]の開発」)という講演を行った[19]。
脚注
編集- ^ a b “List of maintainers of the Linux kernel, section Networking, version 2.6.32”. Linux kernel. lxr.linux.no -- the Linux Cross Reference (2010年4月2日). 2011年7月16日時点のオリジナルよりアーカイブ。2010年4月19日閲覧。
- ^ a b “List of maintainers of the Linux kernel, section SPARC, version 2.6.32”. Linux kernel. lxr.linux.no -- the Linux Cross Reference (2010年4月2日). 2011年7月16日時点のオリジナルよりアーカイブ。2010年4月19日閲覧。
- ^ “GCC steering committee”. The GCC team / Free Software Foundation (2009年4月27日). 2010年4月18日閲覧。
- ^ Greg Kroah-Hartman, Jonathan Corbet, Amanda McPherson (2010年12月). “Linux Kernel Development”. The Linux Foundation. 2010年12月3日閲覧。
- ^ “Ohloh Page for user 'davem' kernel 2.6 contributions”. Ohloh, a free public directory of open source software and people. Ohloh / Geeknet, Inc.. 2010年4月18日閲覧。
- ^ a b David S. Miller, Rutgers CAIP, and Miguel de Icaza, Instituto de Ciencias Nucleares, Universidad Nacional Autonoma de Mexico (1997年). “The SPARC Port of Linux”. Usenix Proceedings. USENIX Association. 2010年4月18日閲覧。
- ^ “1998 Atlanta Linux Showcase Speakers”. The Atlanta Linux Showcase (1998年10月24日). 2007年5月25日時点のオリジナルよりアーカイブ。2011年2月20日閲覧。 “David S. Miller is an engineer at Cobalt Networks, he's been a member of the Linux kernel developer team for nearly 5 years now, and has ported it to various Sparc and MIPS platforms. He is also the current primary maintainer of the IP networking layer in the kernel and an active contributor to the EGCS compiler project.”
- ^ “Excerpt from a Red Hat (RHAT) SEC S-1 filing” (1999年6月9日). 2008年7月8日時点のオリジナルよりアーカイブ。2010年4月19日閲覧。
- ^ Interview with David Miller of Red Hat. 8th Annual Linux Kernel Summit. The Linux Foundation. 14 September 2008. 2010年4月19日閲覧。
- ^ “First Niagara/Linux SMP boot...”. David Miller's Blog (2006年2月17日). 2010年6月11日時点のオリジナルよりアーカイブ。2010年4月18日閲覧。
- ^ David S. Miller (11 April 2008). "[RFC PATCH]: Sparc gold support". binutils at sourceware.org (Mailing list). binutils project. 2010年4月19日閲覧。
- ^ “revision history of the sparc source file”. The gold CVS repository (2008年4月15日から2010年3月10日まで). 2010年4月19日閲覧。
- ^ David S. Miller (3 March 1997). "Socket hashing patches, 5th and final installment". Linux kernel mailing list (Mailing list). lkml.org. 2010年4月19日閲覧。
- ^ “Source file for the sunhme kernel module”. Linux Kernel. 2010年4月19日閲覧。
- ^ “Source file for the tg3 kernel module”. Linux Kernel. 2010年4月19日閲覧。
- ^ “Linux Weekly News 2000 OLS report”. Linux Weekly News (2002年). 2010年4月19日閲覧。
- ^ “Linux.conf.au 2006 programme”. linux.conf.au (2006年). 2008年10月30日閲覧。
- ^ “Multiqueue networking”. LWN.net (2008年7月8日). 2011年2月20日閲覧。
- ^ “NYLUG - July 2009 Meeting”. New York Linux Users Group (2009年6月15日). 2009年8月28日時点のオリジナルよりアーカイブ。2009年8月1日閲覧。