コンテンツにスキップ

キジムシロ

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
キジムシロ
2008年5月 福島県会津地方
分類
: 植物界 Plantae
: 被子植物門 Magnoliophyta
: 双子葉植物綱 Magnoliopsida
: バラ目 Rosales
: バラ科 Rosaceae
亜科 : バラ亜科 Rosoideae
: キジムシロ属 Potentilla
: Potentilla fragarioides
変種 : キジムシロ
P. fragarioides var. major
学名
Potentilla fragarioides L. var. major Maxim.
シノニム

Potentilla sprengeliana Lehm.

和名
キジムシロ(雉莚、雉蓆)

キジムシロ(雉莚、雉蓆、学名: Potentilla fragarioides var. majorシノニムPotentilla sprengeliana )はバラ科キジムシロ属多年草

特徴

[編集]

茎の高さは5-30cmになる。は奇数羽状複葉で5-7枚、まれに3-9枚の小葉からなり、先端の小葉3枚が大きい。小葉の形は楕円形で縁には鋸歯がある。托葉があり、形は披針形で帯褐色となる。花期は4-5月で、花茎に黄色で径15-20mmの花を多数つける。萼片は5枚で卵状披針形、花弁も5枚で長さは6-12mmになる。果実は痩果となり、卵形となる。

和名の由来は、花後の葉が放射状に展開し、その株の姿がキジが休むムシロに例えられたことによる。

種小名 (fragarioides) は「オランダイチゴに似た」という意味。

分布と生育環境

[編集]

日本では、北海道、本州、四国、九州[1]、南西諸島に、アジアでは、朝鮮に分布し、日当たりのよい雑木林、丘陵地、草原、海岸の岩場などにふつうにみられる。種としては、中国、シベリアにも及ぶ。

近縁種

[編集]
  • エチゴキジムシロ (Potentilla togasii) 本州北部の日本海側に分布し、小葉は5枚。
  • ミツバツチグリ (Potentilla freyniana) 北海道-九州に分布し、小葉は3枚。
  • イワキンバイ (Potentilla dickinsii) 北海道-九州に分布し、山地の岩上に自生、小葉は3-5枚。
  • ツルキンバイ (Potentilla yokusaiana) 本州(関東以西)-九州に分布し、長い匐枝を出す、小葉は3枚、まれに5枚。
  • ミヤマキンバイ (Potentilla matsumurae) 北海道、本州北部に分布し、高山の岩礫地に自生、小葉は3枚。

脚注

[編集]
  1. ^ 久志博信『「山野草の名前」1000がよくわかる図鑑』主婦と生活社、2010年、20ページ、ISBN 978-4-391-13849-8

参考文献

[編集]
  • 佐竹義輔・大井次三郎・北村四郎他編『日本の野生植物 草本II 離弁花類』、1982年、平凡社