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ダニエルズ (監督)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
ダニエルズ
Daniels
Daniels
2016年の『スイス・アーミー・マン』のプロモーションでのシャイナート(左)とクワン(右)。
職業
  • 映画監督
  • 脚本家
活動期間 活動中
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ダニエル・クワン
Daniel Kwan
別名義 關家永
生年月日 (1988-02-10) 1988年2月10日(36歳)
出生地 アメリカ合衆国の旗 アメリカ合衆国 マサチューセッツ州ウェストボロー英語版
主な作品
スイス・アーミー・マン
エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス
受賞
アカデミー賞
作品賞
2022年エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス
監督賞
2022年『エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス』
脚本賞
2022年『エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス』
放送映画批評家協会賞
監督賞
2022年『エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス』
オリジナル脚本賞
2022年『エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス』
その他の賞
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ダニエル・シャイナート
Daniel Scheinert
生年月日 (1987-06-07) 1987年6月7日(37歳)
出生地 アメリカ合衆国の旗 アメリカ合衆国 アラバマ州バーミングハム
主な作品
スイス・アーミー・マン
エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス
受賞
アカデミー賞
作品賞
2022年エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス
監督賞
2022年『エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス』
脚本賞
2022年『エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス』
放送映画批評家協会賞
監督賞
2022年『エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス』
オリジナル脚本賞
2022年『エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス』
その他の賞
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ダニエル・クワンDaniel Kwan[1]: 繁体字: 關家永; 拼音: Guān jiāyǒng; 粤拼: gwaan1 gaa1wing5[2], 1988年2月10日 - )とダニエル・シャイナートDaniel Scheinert, 1987年6月7日 - )は、ダニエルズDaniels)と総称されるアメリカ合衆国の映画監督、脚本家である。彼らはミュージック・ビデオの監督としてキャリアをスタートさせ[3]DJスネークリル・ジョンのシングル「ターン・ダウン・フォー・ホワット英語版」(2013年)などのビデオを手がけた。

映画界に進出した彼らはコメディドラマ映画『スイス・アーミー・マン』(2016年)とSF映画『エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス』(2022年)の監督・脚本を務めた。後者は A24で最大の興行収入を挙げ[4]、ダニエルズは第95回アカデミー賞作品賞監督賞を受賞した。

キャリア

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クワンとシャイナートは共にボストンエマーソン大学で映画を学んでいる際に出会った[5]。彼らはスニータ・マニ英語版とも同窓生であり、監督したミュージック・ビデオ「ターン・ダウン・フォー・ホワット英語版」でマニはクワンと共演した[6][7]

2011年以降、2人はフォスター・ザ・ピープルシンズテネイシャスDを含むアーティストのミュージック・ビデオを監督してきた。2018年、クワンは「持続可能な監督労働慣行にコミットするミュージック・ビデオ監督のグローバルコミュニティ」として説明される団体であるウィー・ダイレクト・ミュージック・ビデオ(We Direct Music Videos, W.D.M.V.)を共同設立した[8]

2016年、2人は長編映画に進出し、ポール・ダノダニエル・ラドクリフが出演した『スイス・アーミー・マン』を脚本・監督し[9][10]2016年サンダンス映画祭英語版で監督賞を獲得した[11]

ダニエルズはその後、『Awkwafina Is Nora from Queens』、『レギオン』(クワンのみ)、『ビカミング・ア・ゴッド』(シャイナートのみ)といったテレビシリーズで監督を務めた。またダニエルズはノア・ホーリーが企画していたカート・ヴォネガットの『猫のゆりかご』のテレビ版に監督として関与していたが、プロジェクトは頓挫した[12]

2人は2017年に製作パートナーのジョナサン・ワンルッソ兄弟と共にSF映画の脚本・監督・製作を務めると発表した[13][14]。映画『エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス』はミシェル・ヨーステファニー・スーキー・ホイ・クァンジェームズ・ホンジェイミー・リー・カーティスが出演し、2022年3月に公開されて批評家から高評価された[15]

2022年時点でダニエルズはA24とのファーストルックのテレビ契約を結んでいる[16]。同年に彼らはユニバーサル・ピクチャーズとの5年間の映画契約も結んだ[17]

ダニエルズは2022年の『タイム』の次の100人に選ばれた[18]

私生活

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クワンはマサチューセッツ州ウェストボロー英語版で生まれた。父親は香港出身、母親は台湾出身である[19]。同じく映画監督でアニメーターのクリステン・レポール英語版と結婚した[20][21]。『エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス』のキャラクター制作で注意欠陥・多動性障害(ADHD)に関する取材を行っていたところ、クワン自身もADHDであることが判明した[22]

シャイナートはアラバマ州バーミングハムでベッキーとケン・シャイナートの息子として生まれ育った[23][24]。彼はオークマウンテン・エレメンタリー&ミドル・スクールに通い、シェイズバレー高等学校英語版国際バカロレア・プログラムの生徒であった[23]

フィルモグラフィ

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短編映画

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作品名 監督 脚本 備考
2009 Swingers [6]
2010 Puppets [6]
2011 My Best Friend's Wedding/
My Best Friend's Sweating
Yes Yes
2014 Possibilia Yes Yes
2014 Interesting Ball Yes Yes
シャイナート単独
作品名 監督 脚本
2007 I'm Nostalgic Yes No
2008 Trust Yes Yes

長編映画

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作品名 監督 脚本 製作
2016 スイス・アーミー・マン
Swiss Army Man
Yes Yes No
2022 エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス
Everything Everywhere All at Once
Yes Yes Yes
シャイナート単独
作品名 監督 脚本 備考
2019 ディック・ロングはなぜ死んだのか?英語版
The Death of Dick Long
Yes Yes 兼出演: ディック・ロング役
兼歌唱: "It's Been A While"

テレビシリーズ

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作品名 エピソード
2013 NTSF:SD:SUV:: 第3シーズン第1話「Comic Con Air」
第3シーズン第12話「Wreck the Malls」
Childrens Hospital 第5シーズン第13話「Coming and Going」
Infomercials 第5回「Broomshakalaka!」
2020 Awkwafina Is Nora from Queens 第1シーズン第8話「Grandma & Chill」
クワン単独
作品名 エピソード
2019 レギオン
Legion
第3シーズン第4話「悪魔の襲来英語版
シャイナート単独
作品名 エピソード
2019 ビカミング・ア・ゴッド
On Becoming a God in Central Florida
第5話「聖地での戦い」

ミュージック・ビデオ

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作品 アーティスト 備考
2011 "Simple Math" マンチェスター・オーケストラ英語版
フーディーニ英語版 フォスター・ザ・ピープル [6]
ドント・ストップ (カラー・オン・ザ・ウォールズ)英語版 [6]
2012 "My Machines" バトルス
シンプル・ソング英語版 シンズ [6]
鳳凰♂昇天 テネイシャスD [6]
2013 クライ・ライク・ア・ゴースト パッション・ピット
ターン・ダウン・フォー・ホワット英語版 DJスネークリル・ジョン [6]
2014 タングス英語版 ジョイウェーヴ英語版
2017 "The Sunshine" マンチェスター・オーケストラ
"The Alien"[25]

受賞・ノミネート

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部門 作品 結果 参照
2013 グラミー賞 ショート・フォーム・ミュージック・ビデオ賞英語版 フーディーニ英語版 ノミネート [26]
2015 グラミー賞 ミュージック・ビデオ賞英語版 ターン・ダウン・フォー・ホワット英語版 ノミネート [27]
2016 ゴッサム・インディペンデント映画賞 ブレイクスルー監督賞英語版 スイス・アーミー・マン ノミネート [28]
2017 インディペンデント・スピリット賞 第1回作品賞英語版 ノミネート [29]
2022 ハリウッド批評家協会ミッドシーズン映画賞 作品賞 エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス 受賞 [30]
監督賞 受賞
脚本賞 受賞
インディ映画賞 受賞
サターン賞 ファンタジー映画賞 受賞 [31][32]
脚本賞 ノミネート
ゴッサム・インディペンデント映画賞英語版 作品賞英語版 受賞 [33]
英国インディペンデント映画賞英語版 国際インディペンデント映画賞英語版 ノミネート [34]
ナショナル・ボード・オブ・レビュー賞 トップ10映画英語版 受賞 [35]
アメリカン・フィルム・インスティチュート賞英語版 年間トップ10映画 受賞 [36]
ニューヨーク映画批評家オンライン賞 監督賞 受賞 [37]
ロサンゼルス映画批評家協会賞 作品賞英語版 受賞 [38]
ワシントンD.C.映画批評家協会賞英語版 作品賞英語版 受賞 [39]
監督賞英語版 受賞
オリジナル脚本賞英語版 受賞
シカゴ映画批評家協会賞 作品賞英語版 ノミネート [40][41]
監督賞英語版 受賞
オリジナル脚本賞英語版 ノミネート
セントルイス映画批評家協会賞英語版 作品賞英語版 受賞 [42][43]
アクション映画賞 ノミネート
コメディ映画賞 ノミネート
監督賞英語版 次点
オリジナル脚本賞英語版 受賞
ダラス・フォートワース映画批評家協会賞 作品賞英語版 受賞 [44]
監督賞英語版 受賞
脚本賞英語版 次点
フロリダ映画批評家協会賞 作品賞英語版 受賞 [45]
監督賞英語版 ノミネート
オリジナル脚本賞英語版 次点
2023 アカデミー賞 作品賞 受賞 [46]
監督賞 受賞
脚本賞 受賞
英国アカデミー賞英語版 作品賞 ノミネート [47]
監督賞 ノミネート
オリジナル脚本賞 ノミネート
ゴールデングローブ賞英語版 ミュージカル・コメディ映画賞 ノミネート [48]
監督賞 ノミネート
脚本賞 ノミネート
クリティクス・チョイス・アワード 作品賞 受賞 [49]
監督賞 受賞
オリジナル脚本賞英語版 受賞
コメディ映画賞 ノミネート
全米監督協会賞英語版 長編映画監督賞 受賞 [50]
全米脚本家組合賞英語版 オリジナル脚本賞英語版 受賞 [51]
サテライト賞英語版 コメディ・ミュージカル映画賞 受賞 [52]
オリジナル脚本賞英語版 ノミネート
ハリウッド批評家協会映画賞 作品賞 受賞 [53]
インディ映画賞 ノミネート
監督賞 受賞
オリジナル脚本賞 受賞
AACTA国際賞英語版 作品賞英語版 ノミネート [54]
監督賞英語版 ノミネート
インディペンデント・スピリット賞英語版 作品賞英語版 受賞 [55]
監督賞英語版 受賞
脚本賞英語版 受賞

参考文献

[編集]
  1. ^ Jourdan Aldredge (September 24, 2018). “Insights into the State of the Music Video Production Industry”. PremiumBeat. 2023年2月12日閲覧。
  2. ^ 救你命3000”. 2016年辛丹斯電影節:香港. August 23, 2016時点のオリジナルよりアーカイブ。2023年2月12日閲覧。
  3. ^ danieldaniel.us”. May 18, 2017閲覧。
  4. ^ 'Everything Everywhere All At Once' Crosses $70M U.S., $103M Worldwide, Adding To Totals Of A24's Highest-Grossing Movie Ever – Update” (英語). Deadline (2022年9月30日). 2022年12月6日閲覧。
  5. ^ How two Emerson grads made the weirdest movie of 2016” (英語). www.boston.com. 2022年12月6日閲覧。
  6. ^ a b c d e f g h Fear, David (23 March 2022). "Twerking, Time Warps and Tenacious D: A Viewer's Guide to the Daniels". Rolling Stone (アメリカ英語). 2022年3月30日閲覧
  7. ^ Pearl, Max (March 20, 2014). “Meet the Man Behind Lil Jon & DJ Snake's "Turn Down for What" Video”. Vice. March 26, 2014時点のオリジナルよりアーカイブ。May 7, 2014閲覧。
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  9. ^ Fleming, Mike (2015年6月29日). “Paul Dano, Daniel Radcliffe & Mary Elizabeth Winstead Join 'Swiss Army Man'”. Deadline. 2017年5月18日閲覧。
  10. ^ (英語) Swiss Army Man, https://www.rottentomatoes.com/m/swiss_army_man 2022年12月6日閲覧。 
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  13. ^ Fleming, Mike Jr. (2017年7月25日). “Fox Sets Russo Brothers in Co-Finance & WW Distribution Deal for New Movie Projects” (英語). Deadline. 2019年7月14日閲覧。
  14. ^ Fleming, Mike Jr. (2017年3月22日). “Joe & Anthony Russo Set Next Pic By 'Swiss Army Man' Daniels Duo” (英語). Deadline. 2019年7月15日閲覧。
  15. ^ Everything Everywhere All at Once”. Rotten Tomatoes. Fandango Media. 2022年3月25日閲覧。
  16. ^ Kohn, Eric (2022年3月13日). “'Everything Everywhere All at Once' Directors Turned Down 'Loki' to Direct Their Own Multiverse Comedy” (英語). IndieWire. 2022年5月17日閲覧。
  17. ^ Rubin, Rebecca (2 August 2022). “'Everything Everywhere All at Once' Directors Daniel Kwan and Daniel Scheinert Sign Exclusive Five-Year Pact With Universal”. Variety. 9 August 2022閲覧。
  18. ^ "2022 TIME100 Next: Daniel Scheinert and Daniel Kwan". Time (英語). 2022年12月7日閲覧
  19. ^ 林宏翰 (2023年3月14日). “米アカデミー賞7冠「エブエブ」 プロデューサー「台湾の親たちに贈るラブソング」”. フォーカス台湾. 2023年3月18日閲覧。
  20. ^ Ito, Robert (2016年6月14日). “'Swiss Army Man,' the Strangest Movie Shown at Sundance?” (英語). The New York Times. ISSN 0362-4331. https://www.nytimes.com/2016/06/19/movies/daniel-kwan-and-daniel-scheinert-make-swiss-army-man.html 2022年5月17日閲覧。 
  21. ^ @dunkwun (2016年8月22日). "This is Kir and I the day after our wedding. I'm not ready to post an actual picture of the wedding because I don't think I'll be able to come up with a caption that will do it justice. I will probably never have the words to describe the insanely transcendent rocket ship made of clouds we found ourselves on the day we got married, but it was one of those rare times where life exceeds all expectations and gives you a wholly new experience. I generally avoid hyperbole, unless it's a joke, but this really was one of the best weekends of my life. Photo cred: @chelseanicolelepore #kwanlepore". Instagramより2023年2月12日閲覧
  22. ^ Oba, Mina (2023年3月3日). “『エブエブ』監督ダニエル・クワン、映画制作がきっかけでADHDと診断”. Vogue Japan. 2023年3月14日閲覧。
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外部リンク

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