アイルランド国鉄
IÉ22000系列車(ダブリン・コノリー駅) | |
種類 |
国有企業 子会社 |
---|---|
略称 | IÉ |
本社所在地 |
アイルランド D01 V6V6 ダブリン1区ダブリン・コノリー駅 北緯53度21分4.36秒 西経6度15分0.67秒 / 北緯53.3512111度 西経6.2501861度座標: 北緯53度21分4.36秒 西経6度15分0.67秒 / 北緯53.3512111度 西経6.2501861度 |
設立 | 1987年2月2日 |
業種 | 陸運業 |
事業内容 |
旅客鉄道事業 貨物鉄道事業 他 |
代表者 |
ジム・ミード(最高経営責任者) フランク・アレン(取締役会会長) |
売上高 |
4億9670万ユーロ (2018年12月31日現在[1]) |
営業利益 |
2億8090万ユーロ (2018年12月31日現在[1]) |
純利益 |
110万ユーロ (2018年12月31日現在[1]) |
従業員数 |
3803名 (2018年12月31日現在[1]) |
決算期 | 毎年12月31日 |
所有者 | アイルランド交通システム 100% |
主要子会社 |
インターシティ(InterCity) |
外部リンク | https://www.irishrail.ie |
アイルランド国鉄、またはアイルランド鉄道(愛: Iarnród Éireann、英: Irish Rail)は、アイルランドの鉄道事業者である。1987年2月2日に設立された。親会社はアイルランド交通システム(愛: Córas Iompair Éireann; CIÉ)。
概要
[編集]アイルランド国内のすべてのインターシティ(InterCity)、通勤列車(Commuter)、ダブリン高速輸送(Dublin Area Rapid Transit、通称: DART)、貨物線を運営しており、北アイルランド鉄道と共同で、ダブリンとベルファストを結ぶ特急列車、エンタープライズ(Enterprise)も運営している。また、ウェールズ、フランスをフェリーで就航しているロスレア・ユーロ港も運営している。
2000年頃には東急車輛製造(現・総合車両製作所)から電車と気動車が導入されており、通勤列車とDARTの主力車両として活躍している[2]。
歴史
[編集]- 1987年
- 2月2日:CIE鉄道部局を分社化する形でアイルランド国鉄(Irish Rail)発足。
- 1994年
- 1998年
- 2000年
- 2001年
- 2002年
- 2003年
- 2004年
- 2006年
- 2007年
- リンケ=ホフマン=ブッシュ製のCIÉ8100系がシーメンスにより改修。
- 12月19日:現代ロテム製(ボギー台車は東急車輛製造製)のIÉ22000系(ICR)をインターシティ、通勤列車で運用開始。
- 2008年
- 2009年
- 2010年
- 2011年
- 2012年
- 2013年
- 2019年
- 5月27日:CIÉ8100/8300系を置き換える新型電車および蓄電池電車を導入する計画を明らかにした。また、IÉ22000系(ICR)の車両を41両追加する注文の交渉を開始[16][17]。
- 10月30日:IÉ22000系(ICR)の車両を41両追加する注文を承認し、発注を開始[17][18]。
- 2020年
運行形態
[編集]旅客運行
[編集]アイルランド国鉄が運行する列車は以下の3つに分類されている。
- アイルランド国内の主要都市間を結ぶ長距離列車。最高速度は160 km/hである。
- 主にダブリンを拠点としており、ダブリン・ヒューストン駅からはコーク、ゴールウェイなどのアイルランド南西部・西部方面、ダブリン・コノリー駅からはスライゴ、ドロヘダなど北部方面、またかつての南部方面向けターミナル駅であったダブリン・ピアース駅を経てロスレア・ユーロ港、ウェックスフォードなどの南東部の町への列車が運行されている。他にも、コーク - トラリー線、リムリック - ゴールウェイ線、ウォーターフォード - リムリック線の運行もされている[20]。
- その他、ダブリンと北アイルランドの首都ベルファストを結ぶ国際列車エンタープライズを、北アイルランド鉄道と共同運行している[20]。
- ダブリン、コーク、リムリック、ゴールウェイなどの主要都市とその郊外を結ぶ列車。
- ダブリン通勤列車
- 北部線
- 西部線
- 南西部線
- 南東部線
- ダブリン通勤列車
-
- コーク郊外鉄道
- コーク - マロウ線
- コーク - コーブ線
- コーク - ミドルトン線
- コーク郊外鉄道
-
- リムリック郊外鉄道
- リムリック - エニス線
- リムリック - ニーナー線
- リムリック - リムリック・ジャンクション線
- リムリック郊外鉄道
- また、通勤列車は以下の主要なインターシティ路線からの分岐のシャトル路線にも対応している。
- マロウ駅からトラリー・ケースメント駅(ダブリン - コーク線外)
- マヌラ・ジャンクション駅からバリナ駅(ダブリン - ウエストポート線外)
- [20][21]
- ダブリン高速輸送(英: Dublin Area Rapid Transit)は通称「DART(ダート)」と呼ばれており、ダブリンおよびその近郊を湾外沿いに走る電車。DARTの為に電化された区間だけを走る。ダブリン北部のホウス駅およびマラハイド駅から、ダブリン・コノリー駅、タラ・ストリート駅、ダン・レアリー・マリン駅など主要駅を通り、ブレイ・デイリー駅またはグレイストーンズ駅まで走る[20][21]。
貨物運行
[編集]アイルランド貨物鉄道は、以下の3つの貨物輸送部門に分けられている。
- ばら積み貨物:主にセメント、鉱石、木材などの単一製品のばら積み貨物の輸送を専門としている。
- インターモーダル輸送:現在ウォーターフォードポート - バリナ線、ダブリンポート - バリナ線で運行されているコンテナ列車。
- ナビゲーター:主に自動車在庫部品の輸送を専門としている。
また、アイルランド貨物鉄道は鉄道貨物列車だけではなく、道路輸送も運行している。
駅名
[編集]基本的にアイルランド国鉄の駅は地名にちなんで名付けられているが、主要な町や都市部の一部の駅では、1916年のイースター蜂起の指導者にちなんで、50周年目である1966年に駅名が変更された。
- ダブリン・コノリー駅(旧アミアン・ストリート駅)
- ダブリン・ヒューストン駅(旧キングスブリッジ駅)
- ダブリン・ピアース駅(旧ウェストランド・ロウ駅)
- ダン・レアリー・マリン駅(旧ダン・レアリー駅)
- ブレイ・デイリー駅(旧ブレイ駅)
- コーク・ケント駅(旧グランマイア・ロード駅)
- キルケニー・マクドナ駅(旧キルケニー駅)
- リムリック・コルバート駅(旧リムリック駅)
- トラリー・ケースメント駅(旧トラリー駅)
- ダンドーク・クラーク駅(旧ダンドーク駅)
- ドロヘダ・マクブライド駅(旧ドロヘダ駅)
- スライゴ・マック・ディアルマダ駅(旧スライゴ駅)
- ゴールウェイ・ケント駅(旧ゴールウェイ駅)
- ウォーターフォード・プランケット駅(旧ウォーターフォード駅)
- ウェックスフォード・オハンラハン駅(旧ウェックスフォード駅)
ケータリング
[編集]アイルランド国鉄のケータリング部門は、飲食類の車内販売サービス、スナック車、一部のルートでは、レストランサービスを提供していた。また、ダン・レアリーでレストランの経営もしていた。2004年のアイルランド国鉄の年次報告書[22]によると、同年にケータリング部門で27万ユーロを失った。これに伴い、2006年初頭に民間のケータリング請負業者が、ケータリングサービスの運営を引き継ぐことを発表した。2007年3月にSSPグループのレール・グルメ(Rail Gourmet)に引き継がれた。2020年現在、インターシティの路線ではレール・グルメが提供、エンタープライズの路線では北アイルランドのケータリング・サービス株式会社が提供している[23]。
使用車両
[編集]現在の使用車両
[編集]インターシティ
[編集]- ドゥ・ディートリッヒ (エンタープライズ)
- NIR / IÉ201系機関車 (エンタープライズ)
- マークIV
- IÉ22000系(ICR)気動車
通勤列車
[編集]DART
[編集]貨物線
[編集]- CIÉ201系機関車
- CIÉ071系機関車
- IWT (International Warehousing and Transport)
- DFDS (Det Forenede Dampskibs-Selskab)
- コイルテ
- ボリデン/タラ鉱山
-
マークIV
-
IÉ22000系(22256編成)
-
IÉ29000系(29409編成)
-
IÉ8520系(8634編成)
過去の使用車両
[編集]通勤列車
[編集]DART
[編集]その他(機関車)
導入予定の車両
[編集]コミューター
[編集]2019年10月、アイルランド政府はIÉ22000系(ICR)の車両を41両追加する注文を承認した。これらのうち、新しい編成は3つ構成され、残りは既存のユニットを延長するための中間車両として計画されている。2021年後半から運用を開始する予定である[16][17]。
DART
[編集]DART+(DART+)の一環として、2019年5月にCIÉ8100/8300系を置き換える最大600両の電車および蓄電池電車の車両を導入する計画を明らかにした。新型車両は2024年から運用を開始する予定である。また、2027年までにメイヌース駅、M3パークウェイ駅、ヘーゼルハッチ&セルブリッジ駅、ドロヘダ・マクブライド駅への路線の電化工事を予定しており、現在のコミューター(ダブリン通勤列車)をDARTに置き換えることが検討されている[17][28][29]。
車両基地
[編集]主要な車両基地
[編集]- ポートレーイシュ車両基地
- ポートレーイシュ線路車両基地
- ダブリン・コノリー検車区
- ダブリン・ピアース検車区
- ブレイ・デイリー検車区
- グレイストーンズ検車区
- ロスレア・ユーロ港検車区
- コーク・ケント検車区
- キルケニー・マクドナ検車区
- リムリック・コルバート検車区
- トラリー・ケースメント検車区
- ダンドーク・クラーク検車区
- ドロヘダ・マクブライド検車区
- スライゴ・マック・ディアルマダ検車区
- ゴールウェイ・ケント検車区
- ウォーターフォード・プランケット検車区
- ウェックスフォード・オハンラハン検車区
- バリナ検車区
DART専用車両基地
[編集]- フェアビューDART車両基地
車両工場
[編集]車両の修理、整備、洗浄などの作業は、主にダブリン8区インチコアにあるインチコア車両工場で行われる[30]。過去には 機関車や鉄道車両の製造、組み立てなども行われていた[31]。
脚注
[編集]出典
[編集]- ^ a b c d Iarnród Éireann. “Iarnród Éireann Annual Report 2018”. 2019年7月1日閲覧。
- ^ a b “アイルランド国鉄向け 8500シリーズEMU| ヨーロッパ|日本の輸出|[JORSA日本鉄道システム輸出組合]”. www.jorsa.or.jp. 2020年5月13日閲覧。
- ^ “Malahide” (英語). eiretrains.com. 2020年5月14日閲覧。
- ^ “Greystones” (英語). eiretrains.com. 2020年5月14日閲覧。
- ^ “Mosney” (英語). eiretrains.com. 2020年5月13日閲覧。
- ^ a b c ステンレス車両技術の系譜 − Pioneer Zephyr から sustina まで−
- ^ O'Brien, Ciara. “Cork-Midleton rail line opens” (英語). The Irish Times. 2020年5月13日閲覧。
- ^ Kelly, Olivia. “Limerick-Galway train back on track after 34 years” (英語). The Irish Times. 2020年5月13日閲覧。
- ^ (英語) Limerick to Galway rail line reopened. (2010-03-29) .
- ^ Parsons, Michael. “Rosslare-Waterford rail service to end” (英語). The Irish Times. 2020年5月13日閲覧。
- ^ “New €22m Dart station opens” (英語). The Irish Times. 2020年5月12日閲覧。
- ^ Wade, Jennifer. “Leap Card goes live today for Dublin commuters” (英語). TheJournal.ie. 2020年5月13日閲覧。
- ^ “Farewell to the 2700 Class: 1998 - 2012 - thewandererphotos”. thewandererphotos.smugmug.com. 2020年5月13日閲覧。
- ^ Reilly, Gavan. “What do you make of the new Iarnród Éireann logo?” (英語). TheJournal.ie. 2020年5月12日閲覧。
- ^ “Irish Rail defends new logo cost” (英語). independent. 2020年5月11日閲覧。
- ^ a b Rail, Irish. “Investment in New Trains” (英語). Irish Rail. 2020年5月11日閲覧。
- ^ a b c d ロバート・プリチャード (2019年2月). “Current and Future Fleet Development on Irish Rail”. Today's Railways (Platform 5).
- ^ Quann, Jack. “Dublin to get more rail capacity under new scheme”. Newstalk. 2020年5月13日閲覧。
- ^ O'Brien, Tim. “Irish Rail begins work on new station at Pelletstown in north Dublin” (英語). The Irish Times. 2020年5月12日閲覧。
- ^ a b c d Rail, Irish. “DART and Commuter Services” (英語). Irish Rail. 2020年5月13日閲覧。
- ^ a b Dublin Area Train & Tram Services
- ^ Iarnród Éireann Annual Report 2004
- ^ Rail, Irish. “Catering On-board Trains” (英語). Irish Rail. 2020年5月13日閲覧。
- ^ Rail, Irish. “Iarnród Éireann InterCity Fleet Information” (英語). Irish Rail. 2020年5月11日閲覧。
- ^ Rail, Irish. “Iarnród Éireann Commuter Fleet Information” (英語). Irish Rail. 2020年5月11日閲覧。
- ^ Rail, Irish. “Iarnród Éireann DART Fleet Information” (英語). Irish Rail. 2020年5月11日閲覧。
- ^ Rail, Irish. “Iarnród Éireann Freight Fleet Information” (英語). Irish Rail. 2020年5月11日閲覧。
- ^ (英語) Irish Rail to order greenest fleet of train carriages. (2019-05-27) .
- ^ “DART Expansion” (英語). National Transport Authority. 2020年5月13日閲覧。
- ^ FUSIO. “Inchicore Railway Works, Dublin 8, Dublin City” (英語). Buildings of Ireland. 2020年5月13日閲覧。
- ^ admin. “Irish Rail Engineering Depot, Inchicore” (英語). Remmers Ireland. 2020年5月13日閲覧。