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システム開発ライフサイクル

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

システム開発ライフサイクル(システムかいはつライフサイクル、: Systems Development Life CycleSDLC)とは、システム開発、特にコンピュータシステム開発のモデルまたは方法論である。なお、SDLCは Software Development Life Cycle の略とされることもあるし、SLC と略されることもある。SOAの発展と共に、コンピュータシステムは複雑化し、複数のソフトウェアベンダーが提供するシステム群を相互に連結するようになってきた。これを管理するため、ウォーターフォール・モデルスパイラルモデル反復型開発ソフトウェアプロトタイピングなど、様々なシステム開発ライフサイクル (SDLC) モデルが考案されてきた。

中でもウォーターフォール・モデルは最も古く、SDLCそのものと見なされてきた。各工程の出力が次の工程の入力になる形で連なっている。この流れは基本的に同じような形だが、工程数は個々のモデルによって異なり、4~7工程である。決定的に正しいモデルは存在しないが、各工程にはおおよそ以下のような特徴がある。

①プロジェクト計画立案、実現可能性調査、プロジェクト開始(企画)
プロジェクトの大まかな観点を生成し、目標を定める。出資に関しては、この段階で検討されることが多い。
②要求仕様収集とシステム分析(調達)
目標を分析し、開発の必要な機能を分割していく。ユーザーからの聞き取り調査で明確な要求仕様を定義する。
③システム設計
機能と操作を詳細化する。画面レイアウト、ビジネスルール、プロセス図、といった設計文書を作成する。この工程の出力が技術仕様となることが多い。
④構築(開発)
プログラムのコーディングを行う。
テスト
コードを様々なレベルでテストする。単体テスト、システムテスト、ユーザー受け入れテストなどがある。この工程の手法は様々なものがある。反復はウォーターフォール・モデルの一部ではないが、テストの結果として何らかの反復(後戻り)が発生する。
インストール、実装、配備(導入)
プロジェクトまたは初期開発の最終工程であり、ここでソフトウェアが実際の製造に移され、業務で使用され始める。
保守、運用、廃棄
システムが使われなくなるまで、修正や改良が継続的に行われる。


最近では、厳密なウォーターフォール・モデルをシステム開発に適用する例は少なくなりつつあり、様々なSDLCの方法論が考案され適用されている。

SDLCの考え方は古いという者もいるが、用語としては今もよく使われている。

関連項目

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参考文献

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外部リンク

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