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京都大学大学院法学研究科・法学部

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
法経済学部本館

京都大学大学院法学研究科(きょうとだいがくだいがくいんほうがくけんきゅうか、: Kyoto University Graduate School of Law)は、京都大学大学院に設置される研究科の一つである。また、京都大学法学部(きょうとだいがくほうがくぶ、: Kyoto University Faculty of Law)は、京都大学に設置される学部の一つである。

概要

京都帝国大学開設の2年後の1899年に医科大学とともに法科大学が設置された。「自由の学風」で知られている。特徴として、法律学科・政治学科のような学科組織を持っていない。

沿革

  • 1899年 - 京都帝国大学法科大学が開設される[1]
  • 1919年 - 分科大学制から学部制への変更に伴い、法科大学が法学部に改組される[1]
  • 1949年 - 新制京都大学法学部となる[1]
  • 1953年 - 大学院法学研究科を設置[1]
  • 2004年 - 法科大学院専門職大学院)を設置[1]

教育と研究

組織

法学部

学科組織はなく、以下4つの系統に分類される。

  • 基礎法学系
  • 公法学系
  • 民刑事法系
  • 政治学系

法学研究科

法学研究科1992年(平成4年)に大学院重点化がなされた。従来39あった学部の講座を21の大講座に再編して研究組織を柔軟化した。2004年(平成16年)に法科大学院を設置し、2006年(平成18年)に公共政策大学院を設置したことに伴い現在の2専攻に再編された。

  • 法政理論専攻;法学・政治学系の研究者・教員・その他職業専門人を育成することを主たる目的とする。
  • 法曹養成専攻(法科大学院)(専門職学位課程

研究

21世紀COEプログラム
  • 2003年
社会科学[2]
  • 「21世紀型法秩序形成プログラム」(法学研究科公法専攻)

司法試験合格率

京都大学法科大学院は、司法試験合格率79.93%、全国の法科大学院中、第2位(平成17年〜平成29年)[3]

令和4年度司法試験では、合格率68.0%、全法科大学院中、第1位となった[4][5]

歴代法学研究科長・法学部長

歴代法学研究科長・法学部長は以下の通り[6]

氏名 在任時期 出身大学 専門分野
初 代 木下廣次 明治32年04月 - 明治34年01月 司法省法学校
パリ大学
フランス法
02代 織田萬 明治34年02月 - 明治40年05月 司法省法学校 行政法
03代 井上密 明治40年05月 - 明治42年06月 帝国大学 憲法
04代 田島錦治 明治42年06月 - 明治44年07月 帝国大学 経済理論財政学
05代 仁保亀松 明治44年07月 - 大正03年05月 東京帝国大学 法理学法史学比較法学民法
06代 毛戸勝元 大正03年05月 - 大正04年07月 東京帝国大学 商法
07代 跡部定治郎 大正04年07月 - 大正05年07月   国際私法
08代 中島玉吉 大正05年07月 - 大正06年07月   民法
09代 神戸正雄 大正06年07月 - 大正07年08月 東京帝国大学 租税法行政法
第10代 雉本朗造 大正07年08月 - 大正08年06月 東京帝国大学 民事訴訟法
第11代 末広重雄 大正08年06月 - 大正10年04月 東京帝国大学 国際法
第12代 佐々木惣一 大正10年04月 - 大正12年04月 京都帝国大学 憲法行政法
第13代 竹田省 大正12年04月 - 大正14年04月 京都帝国大学 商法
第14代 佐々木惣一 大正14年04月 - 昭和02年05月 京都帝国大学 憲法・行政法
第15代 山田正三 昭和02年05月 - 昭和04年04月 京都帝国大学 民事訴訟法民事執行法
第16代 烏賀陽然良 昭和04年05月 - 昭和06年04月 京都帝国大学 会社法
第17代 宮本英雄 昭和06年05月 - 昭和08年07月 英米法
第18代 松井元興 昭和08年07月 東京帝国大学 分析化学
第19代 中島玉吉 昭和08年07月 - 昭和10年01月 民法
第20代 山田正三 昭和10年01月 - 昭和12年05月 民事訴訟法・民事執行法
第21代 宮本英脩 昭和12年06月 - 昭和14年05月 東京帝国大学 刑法
第22代 石田文次郎 昭和14年06月 - 昭和16年05月 京都帝国大学 民法
第23代 牧健二 昭和16年06月 - 昭和18年02月 京都帝国大学 日本法制史
第24代 渡辺宗太郎 昭和18年02月 - 昭和20年02月   行政法
第25代 黒田覚 昭和20年02月 - 昭和21年02月 京都帝国大学 憲法
第26代 瀧川幸辰 昭和21年02月 - 昭和35年05月 京都帝国大学 刑事法
第27代 田岡良一 昭和25年05月 - 昭和25年09月 京都帝国大学 国際法
第28代 田中周友 昭和25年10月 - 昭和27年09月 京都帝国大学 ローマ法
第29代 齋藤武生 昭和27年10月 - 昭和29年09月   国際私法
第30代 大隅健一郎 昭和29年10月 - 昭和31年09月 京都帝国大学 商法
第31代 大石義雄 昭和31年10月 - 昭和33年12月 京都帝国大学 憲法
第32代 於保不二雄 昭和34年01月 - 昭和35年12月 京都帝国大学 民法
第33代 大森忠夫 昭和36年01月 - 昭和37年12月 京都帝国大学 保険法
第34代 中田淳一 昭和38年01月 - 昭和39年12月 京都帝国大学 民事訴訟法
第35代 田畑茂二郎 昭和40年01月 - 昭和41年12月 京都帝国大学 国際法
第36代 長濱政壽 昭和42年01月 - 昭和43年12月 京都帝国大学 行政学
第37代 加藤新平 昭和44年01月 - 昭和44年03月 京都帝国大学 法理学
第38代 林良平 昭和44年03月 - 昭和45年10月 京都帝国大学 財産法金融法
第39代 平場安治 昭和45年10月 - 昭和47年10月 京都帝国大学 刑法
第40代 杉村敏正 昭和47年10月 - 昭和49年10月 京都帝国大学 行政法
第41代 上柳克郎 昭和49年10月 - 昭和51年10月 京都帝国大学 商法
第42代 福島徳壽郎 昭和51年10月 - 昭和53年10月 京都帝国大学 行政学
第43代 片岡曻 昭和53年10月 - 昭和55年10月 京都帝国大学 労働法
第44代 道田信一郎 昭和55年10月 - 昭和57年10月 京都大学 国際取引法
第45代 太寿堂鼎 昭和57年10月 - 昭和58年03月 京都大学 国際法
第46代 奥田昌道 昭和58年04月 - 昭和60年03月 京都大学 民法
第47代 龍田節 昭和60年04月 - 昭和62年03月 京都大学 会社法
第48代 川又良也 昭和62年04月 - 平成元年03月 京都大学 商法
第49代 北川善太郎 平成元年04月 - 平成03年03月 京都大学 民法
第50代 佐藤幸治 平成03年04月 - 平成05年03月 京都大学 憲法
第51代 鈴木茂嗣 平成05年04月 - 平成07年03月 京都大学 刑事訴訟法
第52代 村松岐夫 平成07年04月 - 平成09年03月 京都大学 行政学
第53代 田中成明 平成09年04月 - 平成11年03月 京都大学 法理学
第54代 中森喜彦 平成11年04月 - 平成13年03月 京都大学 刑法
第55代 木村雅昭 平成13年04月 - 平成15年03月 京都大学 比較政治学
第56代 吉岡一男 平成15年04月 - 平成17年03月 京都大学 刑事学犯罪学
第57代 森本滋 平成17年04月 - 平成19年03月 京都大学 商法
第58代 初宿正典 平成19年04月 - 平成21年03月 京都大学 憲法
第59代 林信夫 平成21年04月 - 平成23年03月 東北大学 ローマ法
第60代 村中孝史 平成23年04月 - 平成25年03月 京都大学 労働法
第61代 山本克己 平成25年04月 - 平成27年03月 京都大学 民事訴訟法
第62代 潮見佳男 平成27年04月 - 平成29年03月 京都大学 民法
第63代 洲崎博史 平成29年04月 - 平成31年03月 京都大学 商法
第64代 山本敬三 平成31年04月 - 令和03年03月 京都大学 民法
第65代 塩見淳 令和03年04月 - 令和05年03月 京都大学 刑法
第66代 唐渡晃弘 令和05年04月 - 現職 京都大学 政治史[7]

同窓会

京都大学法学部の同窓会として「有信会」がある。

著名な出身者

脚注

関連項目

外部リンク