兼原信克
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兼原 信克(かねはら のぶかつ、1959年〈昭和34年〉1月22日 - )は、日本の外交官。
外務省国際法局長を経て、2012年(平成24年)から安倍内閣(第2次安倍内閣~第4次安倍第2次改造内閣)で内閣官房副長官補。2014年(平成26年)から国家安全保障局次長兼務。2019年退任し、翌20年からは同志社大学で特別客員教授。現在、笹川平和財団常務理事。
人物・経歴
[編集]山口県阿武町出身[1]。山口県立萩高等学校を経て[2]、東京大学在学中の1980年(昭和55年)外務公務員採用上級試験に合格する。1981年(昭和56年)東京大学法学部第二類を卒業して、外務省に入省する。 フランス語研修員として、フランス国立行政学院などで学ぶ。
- 1985年(昭和60年)4月 欧州共同体(EC)政府代表部二等書記官
- 1986年(昭和61年)11月 外務省条約局法規課課長補佐
- 1990年(平成2年)8月 欧亜局ソヴィエト連邦課課長補佐
- 1992年(平成4年)1月 欧亜局ロシア課首席事務官
- 1993年(平成5年)1月 北米局日米安全保障条約課首席事務官
- 1995年(平成7年)7月 国際連合日本政府代表部参事官
- 1998年(平成10年)8月 外務省条約局法規課長
- 2000年(平成12年)9月 外務省総合外交政策局企画課長
- 2001年(平成13年)9月 外務省北米局日米安全保障条約課長
- 2003年(平成15年)8月 在アメリカ合衆国日本国大使館公使
- 2006年(平成18年)8月 外務省総合政策局総務課長
- 2008年(平成20年)9月 外務省大臣官房参事官兼欧州局
- 2010年(平成22年)8月 外務省総合政策局参事官(国連担当大使)
- 2011年(平成23年)1月 在大韓民国日本国大使館公使
- 2012年(平成24年)2月 内閣官房内閣情報調査室次長
- 2012年(平成24年)8月 外務省国際法局長
- 2012年(平成24年)12月 内閣官房副長官補
- 2014年(平成26年)1月 内閣官房副長官補兼国家安全保障局次長[3]
- 2018年(平成30年)12月 レジオンドヌール勲章シュヴァリエ章を受章[4]。
- 2019年 (令和元年) 10月 内閣官房副長官補兼国家安全保障局次長 退任[5]。
- 2020年 (令和2年) 4月 同志社大学特別客員教授
2022年8月から夕刊フジで「令和の国難」を担当
同期
[編集]- 泉裕泰(19年日本台湾交流協会台北事務所長・17年バングラデシュ大使)
- 上月豊久(15年ロシア大使)
- 岡村善文(19年OECD大使・17年人権人道担当大使)
- 山田彰(17年ブラジル大使・14年メキシコ大使)
- 上村司(21年日本国政府代表(中東和平担当特使)、17年サウジアラビア大使)
- 佐藤地(17年駐ハンガリー大使・15年ユネスコ大使)
- 側嶋秀展(19年ミクロネシア大使・16年ザンビア大使)
- 香川剛廣(18年国際貿易・経済担当大使・15年エジプト大使)
- 石兼公博(19年国連大使・17年カナダ大使)
- 高岡正人(19年クウェート大使・16年モンゴル大使・13年シドニー総領事・12年イラク大使)
- 高木昌弘(21年駐ドミニカ共和国大使・20年クリチバ総領事)
- 冨田浩司(21年駐米大使・19年韓国大使・15年イスラエル大使)
- 川村裕(24年依願免職・20年ノルウェー大使・18年沖縄大使・14年コートジボワール兼トーゴ兼ニジェール大使)
- 川村泰久(19年カナダ大使)
- 嘉治美佐子(19年クロアチア大使・14-17年ジュネーヴ代表部大使)
- 宮島昭夫(20年ポーランド大使・17年トルコ大使)
- 重枝豊英(15年リトアニア大使)
- 石井哲也(17年トンガ大使)
- 岡田誠司(20年バチカン大使・17年南スーダン大使)
- 冨永純正(14年青年海外協力協会会長・11年コンゴ民主共和国大使)
- 奥克彦(イラク日本人外交官射殺事件犠牲者[6]、03年殉職のため大使の称号付与)
- 伊藤光子(15年世界の子どもにワクチンを日本委員会事務局長)
- 福嶌教輝(21年駐メキシコ大使・15年駐アルゼンチン大使)
- 福嶌香代子(19年ナッシュビル総領事)
著作
[編集]- 『戦略外交原論』日本経済新聞出版社、2011年4月
- 『歴史の教訓 「失敗の本質」と国家戦略』新潮新書、2020年5月。ISBN 978-4106108624
- 『安全保障戦略』日本経済新聞出版、2021年4月
- 『現実主義者のための安全保障のリアル』ビジネス社、2021年10月
- 『日本の対中大戦略』PHP新書、2021年12月。ISBN 978-4569850924
- 『日本人のための安全保障入門』日本経済新聞出版、2023年11月。ISBN 978-4296118205
共著
[編集]- 岩田清文、武居智久、尾上定正と『自衛隊最高幹部が語る 令和の国防』新潮新書、2021年4月。ISBN 978-410-610901-0
- 同上『自衛隊最高幹部が語る 台湾有事』新潮新書、2022年4月。ISBN 978-410-6109515
- 同上『君たち、中国に勝てるのか 自衛隊最高幹部が語る日米同盟VS.中国』産経セレクト、2023年1月。ISBN 978-453-2134051
- 太田昌克、髙見澤將林、番匠幸一郎と『核兵器について、本音で話そう』新潮新書、2022年3月。ISBN 978-410-6109454
- 河野克俊と『国難に立ち向かう新国防論』ビジネス社、2022年7月。ISBN 978-482-8424224
- 佐々木豊成、曽我豪、髙見澤將林と『官邸官僚が本音で語る権力の使い方』新潮新書、2023年3月。ISBN 978-410-6109898
- 『日本の「平和」と憲法改正』明成社、2023年5月。ISBN 978-490-5410720。第5章に講演録
- 玉井克哉と編『経済安全保障の深層』日本経済新聞出版、2023年12月
- 高見澤將林と編『国家の総力』新潮新書、2024年6月
- 高村正彦『冷戦後の日本外交』新潮選書、2024年6月。オーラルヒストリーでの回想
脚注
[編集]- ^ 阿武町出身の日本外交のエース”兼原信克”さん時局講演会 ”. 阿武町ホームページ. 2014年3月9日閲覧。 “
- ^ “交遊抄 長州「仁」 兼原信克”. 日本経済新聞 (2017年10月19日). 2021年12月13日閲覧。
- ^ 内閣官房副長官補 ”. 内閣官房ホームページ. 2014年3月9日閲覧。 “
- ^ “兼原信克氏がレジオン・ドヌール勲章を受章”. 在日フランス大使館 (2019年1月17日). 2020年1月16日閲覧。
- ^ “兼原・官房副長官補退官、後任は林氏”. Qnewニュース 2019年10月24日閲覧。
- ^ 葬儀では山田が同期を代表して弔辞を読んでいる。“【イラク情勢】棺の上にゆかりの品 「涙が止まらない」外務省同期生ら”. 朝日新聞 (2003年12月6日). 2014年3月26日閲覧。
外部リンク
[編集]- 兼原信克 - 同志社大学法学部
- 兼原信克 - researchmap
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